いじめの根っこを探る

いじめの根っこを探る

京浜協同劇団 城谷 護

京 浜協同劇団は創立55 周年記念公演の第2 弾として、畑澤聖悟作の「親の顔が見たい」を内田勉演出で上演することにしました。 公演は11 月21 日から12月7 日まで、3 週連続で金・土・日にスペース京浜(京浜協同劇団小劇場)で行います。 10 回の上演で1,000人のお客さんを目指します。

ものがたり

舞台はあるミッションスクールの女子中学校。 2 年3 組の井上道子はいじめが原因で自殺を図る。

遺書にはクラスメート5 人の名前が書いてあった。 その子の親たちが学校に集められる。「うちの子に限って……」といじめへの我が子の関与を否定する親たち。

しかし、そこへ道子が生前に投函したらしい手紙が届く。…… いじめの実態を描き、どうすればいいのかを私たちに考えさせてくれる問題作です。

作者は現役の高校教師

作者の畑澤聖悟氏は青森中央高校の現役の教師です。 同校の演劇部は全国高校演劇コンクールで3 度も最優秀賞を受賞、日本一に輝いていますが、その演劇部の顧問なのです。

 

一方、劇団渡辺源四郎商店の店主でもあり、劇作家、演出家として幅広く活躍中の人でもあります。 楽しい中にも鋭い問いかけの作品がこの作者の特徴です。

それだけにこの作品にはドキッとするいじめの実態が赤裸々に描かれています。 いじめ問題は確かに目をそむけたくなる面もあります。

しかし、避けては通れない社会問題でもあります。 事実を隠したり、あったことをなかったとする政治状況にも警鐘を鳴らす作品となるでしょう。

 

私たちはこの作品を通して観客の皆さんと一緒に考えたいのです。 この話題作どうぞ、お見逃しのないよう、お勧めいたします。